鬼の子みていたかくれんぼ。

出来損ないのリトルケイとハイスペック鬼父の話。

鬼が買ってくれてたもの

幼いころから父を警戒していたせいか、何かをせがむことはそこまでしなかった

 

せがむ相手くらい把握してる

 

でも唯一本屋を通り過ぎると父がいつも買ってくれるものがあった

 

おとぎ話の小さな絵本シリーズだ

 

イギリスに行くときにもすべて持って行った

 

全シリーズは集められなかったけど私の想像力の多くはそこの絵からだった

 

何回も何回も読み直して飽きなかった

 

初めて読み聞かせをできるようになったのもその絵本の一冊だった

 

読むことや書くことを好きになるきっかけをくれたのは

 

間違いなく優しい鬼のおかげだった

眉毛を剃って怒られた話

これは中学校に入ってからだっただろうか

 

私の眉毛は太くもさもさとした立派な眉である

 

小さなころから眉毛がうっすら中心で繋がっていた

 

いわゆる両津勘吉の女バージョンだった

 

思春期のケイはおそらくその中心に巻く渦と

 

瞼近くまで生えていた眉毛を剃ったのだ

 

もう私の周りで腕足の毛を剃るのは当たり前だった

 

ある晩、夕飯のときに姉が私が眉毛を剃っていることを指摘した

 

もちろん笑い話で、私も少し照れ臭そうに返事をしたが

 

鬼は現れた。

 

とにかく眉毛を剃るなんてまだ早い、何考えてるんだ と。

 

なぜ皆の前でそんなに怒られたのか…。

 

一瞬指摘した姉を恨んだ、父は気づいてすらいなかったのに

 

剃ることがそんなに悪いことだと思っていなかったし、今でも理不尽だと思う

 

注意するならまだしも怒ることはないでしょうよ

 

ねえミドルケイ?あなたもそう思わない?

父さんの頭を蹴った話

怒られるときは大体わたしが悪い

 

このときももちろん私が悪かった

 

でも私としてはただいたずらでちょいっと頭を突っついたつもりだった

 

まあそれが足だったから不味かったんだろう

 

父さんが床で筋トレしているときにリトルケイはくすくす笑いながら実行した

 

父さんは瞬時に鬼の顔になり

 

こりゃまずいと思ったリトルケイは泣き叫びながら

 

自分のベッドの下に滑り込んだ

 

もちろん足をつかまれ引きずりだされてそのあとはご想像にお任せする

 

愚かなリトルケイ、22歳になってもあの時のことは忘れられない

 

余程怖かったんだろうねえ

 

トラウマのプール

小学四年生まで泳ぎ方を知らなかった

 

教わってないし、泳ぐ機会もなかったからだ

 

それまではプールに行っては父に教えてもらっていたが

 

バタ足で引っ張ってもらい、いきなり手を離されると沈む…

 

そして大量に水を飲む…げほ

 

「どうにかここまで泳げ」というのが父のやり方だが

 

泳ぎたくても泳げないわやめてくれと思う

 

小学四年生からは学校のプールの授業が週1で行われた

 

初級・中級・上級に分かれてそれぞれ教わる

 

もちろん私は初級で最初は息継ぎの仕方がわからないもんだから25m潜水した

 

しかし先生が丁寧に教えてくれ、持ち前の運動神経でテストに合格

 

中級に上がったと思ったら「あなた上級へ行きなさい」と初級から上級へ飛び級した

 

父よ、私の身体能力を考えても泳げないはずはない

 

poco a pocoです

 

 

 

子供の頃、プールといえば楽しい思い出

 

お母さんと友達連れてみんなで流れるプールやスライドに乗ったものだ

 

そうやって小学四年生まで泳ぎ方

ゲンコツ

この22年間、

 

ゲンコツをくらった回数は普通の人よりは絶対多い自信がある

 

「ケイ!歯食いしばれ!」という言葉はいまだ鮮明

 

ゲンコツの刑を科せられたとき、回数を言われる

 

三回はかなりの重罪を犯したとき

 

時には兄弟とわけることも、例えば主犯の兄が2回、私が1回など

 

今思うとゲンコツくらいすぎて私バカに育ったんじゃないか??

 

食らう前から大泣きするリトルケイ

 

しぶしぶその小さな頭を献上する姿が笑いものだ

 

 

家を追い出される

我が家の罰は家を放り出されるかゲンコツだ

 

私はちびだったので家を追い出されることはそんなになかったが

 

一度兄弟4人喧嘩で全員放り出されたことがある

 

私はドアの前でめそめそ泣き

 

上の三人はしくしく泣きながら縄跳びをしていたのを覚えている

 

うちの近所では夜、子供たちが泣きながら縄跳びをする光景がみられる

 

ネバー レバー

子供の頃、食いしん坊の私でも唯一食べられなかった物がある。

 

初めて出会う苦い、生くさい猛烈な味と臭いにリトルケイは耐えられなかった。

 

しかし鬼は好き嫌いを許さなかった。

 

"食え!"と言ってコップの牛乳で飲み込むよう、食べさせた。

 

バーと牛乳...

リトルケイは見事な虹を吹いた。